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「愛知大学オープンカレッジ・日本酒講座研究コース」に参加してきました。

11月26日(土)は、愛知大学オープンカレッジ23年度秋季講座「日本酒講座研究コース」の第3回目が開催されましたので参加してきました。

第3回目のカリキュラムは、「日本酒の地域特性」です。

地域の特性が出る条件として、

○気候条件
 気温が高い→アルコール度数が高めの辛い酒
       比較的に味わいの多い酒となる傾向
 気温が低い→アルコール度数はあまり高くならず、さっぱりとした酒
       味わいもきめの細かいどちらかというとおとなしい酒になる傾向

○水質条件
 硬度による変化
 軟水とは、カルシウム、マグネシウム、塩類の含有量の少ない水で、できる酒質は、きれいな酒になる。
 硬水とは、カルシウム、マグネシウムなどを多量に含む硬度の高い水をいう。

○食品条件
 海岸部 比較的に鮮度の高い食材が流通する
         →全体にあっさりとした食べ物
 山間部 海から遠いので海産物は保存性が望まれる。
     雪の深い地域では冬の間に食料品の調達が難しくなる。
         →塩分等を多めに用い味は濃くなる傾向
          長期に保存できる食材(長野の野沢菜、秋田のいぶりがっこ
          塩味の濃い食べ物には、甘口の酒が合う。

○人的条件
 杜氏により、造り方が変わる。
 代表例として、
 南部杜氏は、やわらかく飲み口のきれいな酒を造るのが得意であるといわれる
 丹波杜氏は、関西地方の味の出る米で、しっかりとした幅と奥行きのある酒を造るのが特徴

酒米の影響
 米の特性による違い
 山田錦:香りがよく出る。まるみのあるソフトな味わい
 雄町:香りは少ない。味わいがはっきりしていて、コクがある。
 美山錦:甘味がある。米の味が出る。香りはあまり出ない。
 五百万石:なめらかで、きれい。辛口になる。香りがほのかにたつ。
 オオセト:コクがあり、個性的な味わい。
 八反錦:奥深いコク。豊かな味わい。香りはあまり出ない。
 玉栄:柔らかで奥深い
 亀の尾:豊かな味わい。辛口で酸味がある。
 出羽燦々:複雑な味わい。甘味があり、やわらかな香り。

○各都道府県におけるオリジナル酵母

という講義を聞きながら、今回は、四国のお酒と料理を楽しませていただきました。
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徳島県の地域特性
徳島県醸造所数は約30あり、そのほとんどが徳島市から吉野川流域にかけて点在している。昔は吉野川がよく氾濫する川であったため、この地は稲作に向かない土地でしたが、ダム建設や灌漑の発達とともに「日本晴」、「コガネマサリ」などの酒米が作られ始め、やや濃醇で中甘口タイプの地酒が醸されるようになりました。但馬杜氏が主流です。

①阿波天水 太閤酒造場(徳島県
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②芳水 芳水酒造(徳島県
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香川県の地域特性
讃岐山脈から財田川、土器川など多くの川が平野部に流れ込んでおり、氾濫することもしばしばであり、稲作が困難な土地でしたが、今日では改善され、温暖な気候も手伝い高品質な米が収穫されるようになりました。「オオセト」が有名でそこから造られる酒は飲み口の良い甘いタイプに仕上がります。現在の醸造所数は18前後あり、主に平野部に点在しています。

③凱陣 丸尾本店(香川県
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愛媛県の地域特性
全国でも有数の甘口酒を醸す県として有名な愛媛。近年、地元米「松山三井」で仕込まれるフレッシュな酸を持つ軽快な酒質の地酒が人気を呼んでいます。全体的に軟水から中硬水の仕込み水が使用され、ふくよかでまろやかな味わいに仕上げられます。現在の醸造所数は約60あり、ほとんどのメーカーが海沿いに点在しています。

④梅錦 梅錦山川(愛媛県
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⑤京ひな 幸三郎 酒六酒造(愛媛県
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高知県の地域特性
「土佐の辛口男酒」と呼ばれるように、軽快な香り味を持つ辛口タイプの地酒が醸されています。また、日本酒飲酒量の非常に多い県として知られ、多く飲んでも飲みあきしない酒質が主流です。暖かい気候の中「暖地醸造法」と呼ばれる独特な仕込み法などが工夫され、寒冷な地方の地酒に決してひけを取らない南国を代表する地酒大国です。
現在の醸造所数は約20あり、主に海岸沿いに点在しています。

酔鯨 酔鯨酒造(高知県
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1時間30分の講義でしたが、新たな発見もあり、日本酒の奥深さをあらためて感じた次第です。
日本酒は、誠に面白いです。