青空が好きです

ヤフーブログから移行しました。

「愛知大学 日本酒講座 極上コース」に参加してきました。

1月19日(土)は、「愛知大学 日本酒講座 極上コース」が開催されたので、参加してきました。

今回のテーマは、予定講座を変更し、昨年12月5日に享年57歳で亡くなった
中村勘三郎を偲ぶとして「十八代目 中村勘三郎 追悼 歌舞伎と酒」と題して・・・
中村勘三郎襲名披露歌舞伎「鰯売恋曳網」のDVDを見ながら、お酒を楽しむという企画でした。

講座前の雰囲気は、こんな感じです。
イメージ 1
 

用意されたお酒は、以下の6種類です。

1.愛山 大吟醸 :立山酒造(富山県
イメージ 2
 
2.純米酒 月の輪 :月の輪酒造(岩手県
イメージ 3

3.こなき純米吟醸 無濾過原酒 :千代むすび酒造(鳥取県
イメージ 4

4.根知男山 純米吟醸 :渡辺酒造店(新潟県
イメージ 5

5.純米酒 三諸杉 :今西酒造奈良県
イメージ 6

6.純米吟醸 雑賀 生詰 :九重酒造(和歌山県
イメージ 7


さて、6種類のお酒とともに楽しんだ「鰯売恋曳網」(いわしうりこいにひきあみ)は、
三島由紀夫の歌舞伎だそうです。

以下、丸尾先生の資料から抜粋です。

「1954年(昭和29年)、雑誌「演劇界」11月号に掲載され、初演は同年11月2日に
芸術祭11月大歌舞伎として、歌舞伎座中村歌右衛門中村勘三郎の共演により上演された。
以降、現在まで数多く上演され続けている人気歌舞伎演目である。三島の純文学との趣きとは
異なる娯楽的作風だが、余裕を感じさせるファルス(笑劇)として高評価された。室町時代
御伽草子「猿源氏草子」を基に、「魚鳥平家」、「小夜姫の草子」などの部分を取り入れていると、
作者・三島は述べている。

鰯売恋曳網は、三島由紀夫歌右衛門のために書いた戯曲。新勘三郎は、昭和48年以降、
上演が途絶えていたこの作品を「勘九郎の会」で、初演当時の資料がないまま蛍火の玉三郎
相談し合って上演した。しかし、後で当時のフィルムが出てきたのを見たら、
先代も同じことをしていたというエピソードがある。」  
ということだそうです。

さて、お酒とともに「鰯売恋曳網」のDVDを見ていたのですが、誠に興味深く、
思わず見入ってしまいました。まさにおおらかで可笑しい喜劇ですね。

特に、中村勘三郎演ずる「猿源氏」の愛嬌が、なんとも素敵で、丸尾先生がファンになるのも、
よく理解できます。


上映DVDのシーンから

大名豪商しか相手にしない遊女の蛍火に一目惚れした猿源氏が、上洛の噂のある大名に化けて
会いに行くことに。
イメージ 8


大名に化けた猿源氏は蛍火のいる店に乗り込むことができた。
合戦の話が聞きたいという求めにも、鯛VS平目と、魚尽くしでやってのけ、
酒を酌み交わします。
イメージ 9


酔いが回った猿源氏は蛍火の膝枕で寝入ってしまう。
気を利かせて皆が席を外すと、猿源氏は寝言で鰯売りの掛け声。
イメージ 10


殿様とは思えぬ寝言に揺り起こしてたずねる蛍火に、必死でごまかす猿源氏。
それではやはり殿様か。蛍火は、喜ぶどころかがっかりして泣きだしてしまった。
蛍火は実は紀伊の国の姫であったが、十年前に聞いた鰯売りの声に恋をして
城を抜け出しあとを追ったあげく道に迷い、人買いにかどわかされて今ここにいるが、
鰯売りこそ我が夫と心に決め、日夜観音さまに祈っていたのだと身の上話。
それを聞いて素性を明かす猿源氏。蛍火は夢ではないかと大喜び。
しかし二百両という金の工面をしなければ晴れて一緒には暮らせない。
その時、蛍火の探索を命じられていたという男があらわれる。
男は行方不明になっていた姫を無事に城へ連れ戻すために来たのだが、
蛍火に命じられるまま身請け金を亭主に渡すことに。

晴れて自由になった蛍火は、城へは戻らず、猿源氏の女房になると宣言する。
やぁ、めでたやな、というお話でした。
イメージ 11



あっという間の90分でした。
今回の講座は、多くの方が、DVDに見入ってしまい、
お酒が進まないという珍現象??も発生しました。
それにしても、DVDだけを見ても、歌舞伎という日本文化の素晴らしさを感じました。

日本酒と歌舞伎・・・
丸尾先生の講義は、日本酒を取り巻く環境、歴史という観点から日本酒を教えていただけるので、
とても興味深く、勉強になります。
今後も、丸尾先生の講座に期待です。