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「朝日カルチャーセンター 日本酒講座 極上コース」に参加してきました。

3月17日(土)は、「朝日カルチャーセンター 日本酒講座 極上コース」に参加してきました。
今回のテーマは、「珍味」でした。

「珍味」に合わせた日本酒は、滋賀県のお酒でした。
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「珍味」は、こんな感じです。
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左上から
鮭とば
②子鮎の甘露煮
クリームチーズ酒盗
左下から
④このわた
⑤鯖のへしこ
⑥鯨の刺身

⑦河豚の卵巣の糠漬け
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⑧鮒ずし
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⑨赤こんにゃく
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上記日本酒と珍味を味わいながら、日本酒と料理の相性の講義です。

(1)相性が良いとは
  ①味の調和(一般的な飲み方・・・お刺身)
  ②味を洗う(料理が主、お酒が従・・鍋物
  ③味の変化(お酒が主、料理が従・・塩辛)

(2)日本酒の味の構成
  ①甘味:糖類/甘味アミノ酸/グリセロール・エチルグルコシド
  ②酸味:有機酸(コハク酸、乳酸、リンゴ酸)
  ③辛味:アルコール
  ④苦味:アミノ酸、チロソール、苦味ペプチド
  ⑤旨味:コハク酸アミノ酸
  ⑥濃さ:糖、アミノ酸、ペプチド、有機
  ⑦調和・ゴク味:全成分のバランスと口中感

(3)お酒の成分が料理に与える影響
  日本酒に含まれるそれぞれの成分は、料理と出会うことで次のような働きをする。
   ①アルコール:油脂を溶かす、香りを引き立てる
   ②糖:旨味を作る、酸味をやわらげる
   ③酸:塩辛さ・甘さをやわらげる
   ④アミノ酸:旨味を補う
   ⑤水分:味を薄める、刺激を弱める

(4)日本酒とアミノ酸
  ・アミノ酸やビタミンなど100種類以上の微量物質が存在→日本酒独特の風味
  ・ビールやワインなどに比べて、各段に多いアミノ酸が日本酒に含まれる
  ・蒸留酒にはこのようなうまみ成分は含まれていない
  ・日本酒に比較的多く含まれるアミノ酸
    グルタミン酸、アラニン、ロイシン、アルギニン、アスパラギンスレオニン、セリン、
    バリン、イソロイシン、トロシン、ヒスチジンフェニルアラニン、プロニン、グルシン
  ・天然の保湿成分(アラニン、プロニン)
   日本酒を飲むと直接、肌に届くため、肌の美容にも効果抜群
  ・グリシン、アラニン・・・甘味
  ・バリン、ロイシン・・・・苦味
  ・アスパラギングルタミン酸・・・酸味、旨味

(5)ワインと魚介の組み合わせによる生臭み
  ①ワイン中に含まれる鉄イオンが原因
   ・ブドウが土中から取り込む
   ・土埃中の鉄分が果皮に付着してそのまま持ち込まれる
   ・ワインは酸が強いので醸造に使用される容器の鉄分が溶け出る
  ②食材に含まれる原因物質
   ・過酸化脂質
   ・ホタテの干し物
   ・生ホタテ 茹でホタテ 干しホタテ
   ・本格的な天日干しは危険性が高い
  ③発生のメカニズム
    ・DHAやEPAと呼ばれる脂肪酸が酸化すると過酸化脂質へ変化
    ・魚介の過酸化脂質と鉄イオンが反応すると生臭み成分が瞬時に発生
     (小学校や公園の鉄棒握ると同じような状況が発生する)
  ④「生臭み」は鼻で感じている「におい」であり、味覚だけでは感じない
  ⑤生臭みを引き出さないワインもある
    ・日本のワイン・・・土壌に鉄分が少ない
    ・甲州ワイン・・・・棚作り
    ・アルザスワイン・・木を高く作る(地面から遠い)
   ・ブドウ洗浄システム・・・イタリアのフランチャコルタ「カ・デル・ボスコ」
   ・シュール・リーのワイン
   ・瓶内二次醗酵後の長い瓶内熟成させたスパークリングワイン・・・シャンパーニュ
   ・既に酸化した状態のワイン・・・シェリー、マデイラ、ヴァン・ジョーヌ
   ※シュール・リーについて
    フランスのロワール地方のミュスカデという種類のワインは、古くからシュール・リーと呼ばれ
    る独自の方法でワインを造っている。シュール・リーではオリ引きを直ぐにしないで最高で翌年
    の6月30日まで澱とワインをタンクの中で接触さあせておく。このようにすることで澱の主成
    分である酵母菌体が自己分解してアミノ酸やペプチドがワインが溶け込み深みや幅をワインに与
    える。
  ⑥生臭みを回避する調理方法
   ・魚介類に火を入れる・・・熱エネルギーの作用で過酸化脂質が減る
   ・オリーブオイルやバターなどの油を料理に使う
   ・レモンなどのクエン酸系、あるいは酸の高いワインそのものを調味料として使う
  ⑦生臭みを引き出さないワインの研究
   ・ワインの鉄分量を低くするにはどうしたらよいのか?
   ・シュール・リーのワインでは鉄分量が低い
   ・アルコール処理をした酵母を添加することでワインの鉄分量を低下する技術を開発 等

 今回も知識が深まりました・・・
 丸尾先生、いつも、ありがとうございます。